ゲームにまみれて、本にまみれて。

ゲームと本にまみれた、日常の話。

『空の軌跡SC』もしも世界中のエネルギーが停止したらを考えさせられる

空の軌跡FC』の直後から始まる物語

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日本ファルコムの『軌跡シリーズ』2作目『空の軌跡SC』。

ストーリーは、前作にあたる『空の軌跡FC』のエンディング直後から始まる。

 

今作では、敵組織『身喰らう蛇(ウロボロス)』の陰謀を阻止するために、再び大陸中を旅することになる。



もしも世界中のエネルギーが停止したら

 

『身喰らう蛇』は、陰謀のための実験として、各地で様々な事件を起こしていく。

そこで巻き込まれた民間人を守るために、遊撃士としての仕事をこなしていく主人公たち一行。

 

その実験の過程で、導力器(オーブメント)が停止してしまう。

 

空の軌跡FC』についての記事にも書いたが、『空の軌跡』の世界において導力器は、遊撃士がアーツと呼ばれる魔法を使うための力だけでなく、日常生活を支えるエネルギーともなっている。

 

no-sense-life.hatenablog.jp

 

つまり導力器が停止するということは、現実世界でいうところの、電気や水道などが止まることに値するわけだ。

 

当然、ライフラインを奪われた民間人はパニックに陥り始めるのだが、遊撃士をはじめ、軍や国のトップの働きで、民間人もしだいに落ち着いていく。



また戦闘においても、アーツが使えなくなる場面がある。導力器のエネルギーを使用した武器を持つキャラクターに関しては、攻撃すらもままならなくなってしまう。

 

これは、ゲームの進行が難しくならない程度に救済措置が取られてはいるのだが、ストーリーを進めるごとに、不便さが増していく。

 

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現実世界でも、災害などで停電や断水が起きることはあるが、もし全国で同時にこのようなことが起きた場合、冷静に対応できるのだろうかと考えさせられることになった。



前作よりも魅力が増した

 

もちろんこのような真面目な考えが頭をよぎるばかりではない。

 

ストーリーは、前作同様に胸を熱くするものがある。大切な場面で、前作にも登場した意外なキャラクターが現れる場面があるのだが、その場面は非常に印象深い。

 

ただ、まったく前作から変わらないわけではなく、ディスク2枚組となり、『空の軌跡FC』よりもボリュームアップし、ムービーの迫力も増している。

 

さらに魅力が増した作品となっていると感じた。




 
 



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採用試験を受けに行ったら、見知らぬ土地で置き去りになりかけた

就職活動の最中に訪れた悲惨な日

 

今でこそ多少は慣れてきたが、私は昔から人と話すことが苦手だった。

 

就職活動も面接が最悪で、なかなか内定はもらえず、毎日のように採用試験を受けに行く夏を過ごした。

 

いや、面接がなかなか受からなかったのは、何も人と話すことが苦手だっただけではないような気がする。

 

固い空気の中では、話づらくなってしまう。なんとか面接官のうけを狙って、空気を和ませたい。そんな気持ちがいつしか違う方向に向かい始め、最終的に、うければ勝ちみたいな、わけのわからないモチベーションで面接に望んでいたのも敗因の一つだろう。



まあ、それはそうとして、そんな採用試験ばかりを受ける地獄のような夏を過ごしていたのだが、その中でもさらに悲惨な日があった。



田舎の駅舎は木造である

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私は福岡に住んでいて、就職先も福岡県内で探していた。

しかし、あまりに内定が出なかったため、山口まで足を伸ばしたことがあった。



高校まで徒歩で行けるところに通い、大学も電車一本で行けるところだった私は、初めて電車を数回乗り換えての、山口への遠征に向かうことになった。

 

しかも、下関とかならなんとかなるが、山口の中でも北の方の、なんとも知れない土地が目的地である。

 

私は入念に準備をした。

 

電車の時間、乗り換える駅、必要な運賃。

すべてを手帳にメモして、当日を迎えた。



駅でICカードに必要な運賃をチャージして、電車に乗り込んだ。

いざ山口への旅の始まりである。

 

この日は面接。緊張もするが、緊張していても良い結果は得られない。

 

できるだけリラックスしようと、夏の小旅行気分で車窓から景色を眺めた。

空に浮かぶ大きな入道雲、広大な緑が広がる畑。

 

私の地元では見られない風景が広がっていた。



電車に揺られて数時間が経ったころ、私の心にかすかな不安がよぎった。

 

とはいえ、私の思い過ごしかもしれない。

とりあえず、このことは考えないことにした。



しかし電車が進むにつれて、その不安は大きくなっていった。

 

私の不安要素は、駅舎が木造だったことである。

何のことやらわからないかもしれないが、結局私の不安は的中することになった。



当たり前が通用しない絶望

 

ある駅で、地元の学生たちが駅に入ってくる姿が見えたのだが、改札を入ってくるときに見慣れない行動をしていた。

 

切符を箱に入れているのである。

 

そう、自動改札ではないのだ。



私は急いで手帳と財布を取り出した。そしてメモした片道の運賃と、財布の中身を見比べた。

 

なんとか片道分の現金は財布に入っていたが、ICカードが使えるものだと思っていたため、他の現金はすべてICカードにチャージしてしまっていた。

 

改札が自動改札でない以上、ICカードも使えない。



今から引き返したところで、往復の運賃は必要になるし、そもそも面接をすっぽかすわけにもいかない。

 

一か八か、目的地の駅まで行くことにした。山口の地に置き去りになるのなら、それはそれだ。



駅に着いた私は、ICカードで入場してしまったことを伝え、片道の運賃を支払った。

そして、帰りの運賃分の現金がないことも伝えた。



駅員さんは若干困っていたが、なんとか対処方法を考えてくれた。

 

少し気持ちが軽くなった私は、なんとか面接を終え、駅にった。そして、教えてもらった対処方法でなんとか帰ることができた。



この対処方法であるが、本来はやってはいけない方法らしいので、ここでは詳しく書かないでおく。

 

駅員さんのご厚意に感謝である。



もし就職活動などで、電車で遠く離れた地へ向かうことがあれば、これだけは覚えておいて欲しい。

 

線路は繋がっていても、ICカードは使えない可能性がある、ということを。




こんな思いをして受けた面接は、見事に不採用に終わり、この苦い経験という名の話のネタだけが私の中に残った。

 

 

 

 

すべての軌跡のはじまり『空の軌跡FC』

人気シリーズのはじまり

 

日本のゲーム開発会社『日本ファルコム』。

そんな『日本ファルコム』が出すゲームシリーズの一つに『英雄伝説シリーズ』というものがある。

 

英雄伝説シリーズ』は、さらに『イセルハーサシリーズ』『ガガーブトリロジーシリーズ』『軌跡シリーズ』という3つから成っている。

 

中でも『軌跡シリーズ』は、今でも最新作が発売されている人気RPGシリーズである。

 

空の軌跡FC』は、『軌跡シリーズ』という長い歴史のはじまりを担う作品だ。

 

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奥深いゲームシステム

 

民間人を守る遊撃士(ブレイサー)という民間団体が活躍する世界。

 

主人公のエステルとヨシュアは、見習いである準遊撃士になるための試験を見事にクリアするところからストーリーは展開していく。

 

様々な仕事をこなしていく二人だったが、あるとき、同じく遊撃士として遠方に出向いていた父、カシウスが失踪したと知らせを受ける。

 

エステルとヨシュアの二人は、正遊撃士への修行も兼ねて、父の行方を追い、大陸中を旅していく。

 

ストーリーは非常にシンプルな、冒険ものである。

 

しかし、ゲームシステムは少し特殊であり、初めは複雑ながらも、慣れてくると考えるのが楽しくなってくる。

 

空の軌跡』の世界では、導力器(オーブメント)から生み出されるエネルギーで日常生活を送っている。

 

このオーブメントは、戦闘においても重要な役割を担う。

 

オーブメントをスロットにセットすることで、アーツ、いわゆる魔法を使えるようになるのだ。

 

このスロットへのセットの方法が奥深い部分で、同じオーブメントをセットするにしても、順序が違うと、使えるアーツも変わってくる。

 

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キャラクターによって、スロットの構成が異なるため、キャラクターそれぞれに合ったセットの仕方が求められる。

 

ゲームを初めてすぐは、まったく理解できなかった部分も、中盤になってくると、自分の意思でキャラクターを作り上げていくことができる楽しみがある。

 

 

『軌跡シリーズ』の一歩を踏み出して

 

奥深いゲームシステム。

シンプルでありながら、胸を熱くするストーリー展開。

 

2004年にPC向けに発売され、その後PSP向けに移植された本作。

さらに、『軌跡シリーズ』として様々なタイトルへと繋がっていく。

 

そんな人気の理由を垣間見ることができる作品だ。

 

空の軌跡FC』をさらにリメイクした『空の軌跡FC Evolution』がPS Vita向けに、『空の軌跡FC:改 HD EDTION』がPS3向けに発売されており、始めやすくなっている。

 

これから『軌跡シリーズ』を楽しみたいという人も、まずは『空の軌跡FC』から、その一歩を踏み出してもらいたい。



 
 

 

 

 

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未だ知ることのない、あの日の父の優しさの真相

父との思い出

 

私には父がいない。



今回の話を書くにあたって、やはり事実は明かしておいた方がいいと思い、こう書いたのだが、思いのほか重たい書き出しになってしまい、私自身困惑している。

 

しかし、重たい話など一つもない。ただ両親が離婚したというだけのことだ。今日日、両親が離婚する家庭なんて珍しくもなんともない。



父が居なくなってすぐは、片親であることに引け目を感じたり、父に対して少しの恨みを感じたりした。

 

けれども、今はそんなこともなくなった。

 

父のことは、好きでもないし、嫌いでもない。会いたくないとも、会いたいとも思わない。

 

多分、仮に会ったとしても、感動の再会みたいなことにはならない。



そんなドライな感じではあるが、幼い頃は少なからず父親でいてくれたわけで、いくつかの思い出もある。

 

今回書く話は、そんな思い出の一つ。



ONE PIECE』にはまった小学生時代

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私は小学校四年生のときに、 『ONE PIECE』を読み始めた。

 

それ以前からマンガは連載されていたし、アニメも放送されていたが、四年生になったあたりでクラスの男子のほとんど、加えて女子も数人が『ONE PIECE』を読んでいるという状態になっていた。

 

当時から天邪鬼だったのか、私はどうにも見る気になれなかった。

 

ここで母は心配するのである。友達との会話についていけるのだろうか、それがきっかけでいじめられないか、と。

 

そしてある日、母から ONE PIECE の単行本1巻から4巻を授けられることになる。



結果だけを書くと、母の思惑通り、私はまんまと『ONE PIECE』にどハマりした。

 

しかし、授けられたのは4巻までで、5巻以降は自分のお小遣いで買わなければならなかった。

 

その当時、『ONE PIECE』は19巻が発売された頃。ストーリーでいうと、アラバスタ編の真っ只中で、クラスでの会話も、そのあたりのストーリーについての話題ばかりだった。

 

私は5巻以降のストーリーが気になり、もやもやとした毎日を送ることとなった。



父が私に買い与えたもの

 

書店に行っては、『ONE PIECE』が並ぶ棚を眺め、帰宅したら1巻から4巻を読み返す。そんな日々だった。



ここで満を持して父の登場である。

 

ある日、外出先から帰宅した父が「『ONE PIECE』買ってきたよ」と、書店の紙袋を手渡してきた。

 

私は喜んだ。なにせ、読みたくても読めなかった5巻だ。

 

私はさっそく紙袋の封を開けて『ONE PIECE』を取り出そうとした。



のだが、ある違和感を覚えた。



いや、そんなはずは。



もう一度、紙袋を覗き込む。

 

明らかに、袋に入っているその本は、黄緑色をしているのだ。



私は知っていた。何度も書店で見てきたのだから。

ONE PIECE』の5巻の表紙は白なのだ。



私はおそるおそる、紙袋から本を取り出した。

 

出てきたのは、『ONE PIECE』の19巻だった。

 

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これについて、父を責めるつもりはない。だって、父は「『ONE PIECE』を買ってきた」と言っただけで、一言も「『ONE PIECE』の5巻を買ってきた」とは言っていないのだから。

 

なぜ4巻までしか持っていない私に、19巻を買い与えたのか。

いまだに疑問である。

 

 

 

登場人物に愛着を持ってはいけない『ハング』

怒りや悲しみが前面に打ち出された重厚感のある作品

 

これまで、誉田哲也さんの作品はたくさん読んできた。

 

警察が中心に描かれた作品が多いため、怒りや悲しみの描写はたくさんある。

 

また、ハードな表現で、重厚感のある作品が多いのも特徴である。

 

しかし、そんな作品の中でも『ハング』は、群を抜いて怒りや悲しみが前面に打ち出されており、ハードさも他の作品を凌ぐ作品だと思う。

 

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序盤と終盤で浮き彫りになる物語の明暗

 

物語は、警察官の主人公が、同じ班のメンバーたちとキャンプを楽しむシーンから始まる。

束の間の、楽しい非日常。

 

そして、日常の警察の業務に戻っていく一行。

 

ところがそこから、今までの業務ではなく、主人公たちの日常が徐々に歪んでいくことになるのだ。

 

主人公が所属する班は、ある事件の犯人を自供により逮捕する。しかし犯人は、公判で自供を強要されたと証言を覆してしまう。

 

そして、その翌日、班のメンバーの一人が首吊り自殺をしてしまう。



主人公の周囲で様々な事件が巻き起こっていくのは、他の作品でも描かれていることだし、ミステリー作品、警察小説である以上は普通のこと。

 

しかし、その過程での悲しみや暗さが異常なのである。



物語の始まりが明るいだけに、終盤の暗さとの対比が強くなり、読後の悲しみを強くしていると感じた。



登場人物に愛着を持ったら最後

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警察が犯人を追い詰めていく。

その基本的な流れはありながら、他の作品にはない展開をしていく『ハング』。

 

作品を読み進めていく中で、次々に起きる事件。

連鎖していく悲しみ。

 

登場人物に愛着を持ったら最後、おそらく読後の救いのなさに絶望することになる。

 

そんな読後感を、実感してもらいたい。



 

 

 

 

私の実体験に見る、条例で無理にゲームを制限しない方が良い理由

条例でゲームを制限することの是非

 

香川県で「ネット・ゲーム依存症対策条例」なるものが施行された。

18歳未満の子どものネットやゲームの利用時間を、平日は60分、休日は90分を目安に制限する条例だ。

 

とはいっても、違反すれば罰則があるようなものではなく、各家庭での判断に任せるものであり、存在する意義があるのかどうかわからない条例である。

 

しかし、施行された以上は、厳しき制限する家庭も出てくるだろうし、香川県外でも取り入れる家庭は出てくるかもしれない。

 

ただ、私はむやみにゲームを制限することには反対だ。

無理に制限をしてしまうと、たがが外れた時に、えらいことになりかねないから。



二度の我慢をすることになった『428~封鎖された渋谷で~』

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私の好きなゲームに『428~封鎖された渋谷で~』というものがある。

一番好きなゲームと言っても過言ではないかもしれない。



『428~封鎖された渋谷で~』との出会いは、ほんの偶然だった。

店に並んでいるのを見て、パッケージに惹かれ、パッケージ裏のゲーム内容を見てさらに惹かれた。

 

しかし、すぐに買うことはなかった。

というよりも、買えなかった。

 

『428~封鎖された渋谷で~』はWii用のソフトとして発売されていたのだが、その当時Wiiを持っていなかったのだ。

 

惹かれる気持ちを抑えて、その場は諦めることにした。



それから少しして、二度目の出会いを果たす。

 

書店でゲーム雑誌を立ち読みしていると、『428~封鎖された渋谷で~』の広告が目に入ったのだ。

 

その内容は、私にとって朗報だった。

PSPPS3に移植されて、発売されるというのだ。

 

PSPを持っていた私は、今度こそ『428~封鎖された渋谷で~』の購入を決めた。

しかし、またしてもすぐに買うことはしなかった。

 

移植版が発売される年、私は高校3年生だった。

さすがに大学受験を控えたタイミングで、新たなゲームを購入する勇気はなかった。



驚愕したプレイ時間

 

大学受験を終え、受験勉強から解放された私は、すぐにゲームショップへ向かった。

割と人気が高い作品で、最初の何店舗かは在庫切れ。

 

個人経営の小さなゲームショップで、なんとか購入することができた。

 

足早に帰宅した私は、すぐにゲームを起動した。

 

楽しみにしていたからか、二度の我慢を強いられていたからか、ゲームそのものの出来がよかったからか。

 

夢中になってストーリーを進めた。



あるタイミングでセーブをしようとしたとき、プレイ時間を見て驚いた。

70時間となっていたのだ。

 

プレイ時間が70時間であること自体は、それほど驚くことではない。

クリアまでのプレイ時間が100時間近くになるゲームも珍しくはないからだ。

 

では、なにに驚いたのか。

 

帰宅してゲームを開始してから、そのタイミングまでで、およそ80時間しか経っていたかったのだ。

 

つまり、PSPの電源を切ったり、スリープ状態にしたりしていたのは、10時間ほどしかないということになる。

 

たしかに、寝る間も惜しんでストーリーを進めていたのだから、当然と言えば当然だ。

 

もともと小説を読んでいるときも、続きが気になると夜明けまで読んでしまう性格だが、ゲームにこれほど熱中したのは初めてだった。

 

おそらく、二度に渡る我慢を強いられた結果がこれなのだろう。



私がこのような状態になったのは、『428~封鎖された渋谷で~』以降ないのだが、無理にゲームを制限することで、制限が解かれたときに、余計にゲームに没頭してしまう人も出てくるのではないだろうか。

 

そんなふうに、私は思っている。

 

 

 

隣の青い芝生を、糧にする

隣の芝生は青く見える

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「隣の芝生は青く見える」

 

誰もが感じたことがあるのではないだろうか。

 

私も、この感情に苛まれることが多々ある。

良くないこととは、わかっているのだが。



おしゃれに、自由に暮らすというのが、私の憧れでもある。

 

最近は、InstagramYouTubeに、おしゃれな暮らしぶりを投稿している人が増えている。

 

それらの写真や動画をみていると、やはりうらやましく感じてしまう。



嫉妬心から沈む気持ち

 

いわゆる嫉妬心のようなものなのだろうが、あるときから、そういった写真や動画を見ることが辛くなってしまったことがある。

 

そんな暮らしは、自分には実現できない。

そんなふうに思うようになったのだ。



がんばれば、そういった暮らしも実現できるのかもしれない。

 

ただ、このブログを始めたときにも書いたことがあるが、おしゃれな暮らしを作ろうとしてもセンスがないし、出費を抑えようとするあまり、モノが揃わない。

 

no-sense-life.hatenablog.jp

 

やりたくてもできない、もどかしい気持ち。

気持ちが沈むくらいならと、InstagramYouTubeでそういった写真や動画をみることをやめた。



自分なりに実現できるようにすれば良い

 

ところが、みるのをやめたらやめたで、逃げ出したという気持ちが強くなってしまった。

我ながら面倒くさい質だと思う。

 

しかし、どちらにしても気持ちが沈むのであれば、実現したいことから逃げずに、自分なりに実現できるようにすれば良い。

 

そう思い直した。



隣の芝生は青い。

そう感じても、嫉妬心を抱いてばかりいないで、それを糧にすることも、自分自身の成長につながる大切なことなのではないだろうか。

 

 

 

 

『モンハン』のせいで先輩に毒を吐くことになった、大学のときの思い出

バイト先の人たちと打ち解けられない私

 

これは、私が大学生のころ。飲食店でアルバイトをしていたときの話。



私は大学生になって、人生で初めてのアルバイトをした。

ショッピングモールの飲食店街に入っているような、チェーンの飲食店だ。



私は人と話すのが苦手で、厨房での勤務を希望したが、店長の意向でなぜかホールで働くことになった。

 

そもそも人に対して心を開くのに時間がかかるタイプである。職場の人とも、必要最低限の世間話はしても、それ以上は話さなかった。



そんな中、厨房で働く二人の先輩とは、完全とは言えないが、多少は打ち解けていた。

 

一人の先輩は、私より2歳上で、中学生のとき同じ部活だったから面識があった。

そしてもう一人の先輩は、中学の先輩の、高校の先輩にあたる人で、私より3歳上。

面識はなかったが、先輩づてに話すようになった。



ある日、まだアルバイトを始めて間もないころ。慣れないながら仕事をこなしていると、その二人の先輩の会話が聞こえてきた。

 

何の気なしに聞いていると、どうも『モンスターハンターポータブル 2ndG』の話をしているようだった。

 

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『モンハンP2G』といえば、モンハンブームの火付け役ともいえる作品。私が高校生のころに発売され、放課後の教室でクラスメイトが楽しそうに遊んでいるのを見て、私もPSP本体とともに購入した。

 

それからしばらくが経っていたが、この先輩二人は、遅ればせながらモンハンデビューをしたようだった。

 

そんなことを聞いていると、突然会話のボールが私の方に飛んできた。

 

「オガタくんは、モンハンとかしないの?」




なぜだろうか。

 

気づくと、先輩二人とモンハンをする約束が取り付けられていた。

 

 

睡魔と戦うモンハン大会

 

それからしばらくして、その日を迎えた。

 

アルバイトを終えた私は、3歳上の先輩の自宅に向かった。



窓が一つだけある、広くも狭くもない、けれど3人が入るには充分な広さの部屋に通された。

 

そして22時。三人が揃ったところで、深夜のモンハン大会の開始である。



先輩二人は、私よりもプレイ時間は短いはずだが、ランスや狩猟笛など、多彩な武器を使う。

 

それに対し、私は大剣しか握ったことのない脳筋だ。

 

このときも、勘を取り戻しつつ、せっせと大剣を振るった。

 

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最初は簡単なクエストをこなしていたが、夜も深くなってくるころには、難易度の高いクエストに潜るようになっていた。

 

そんな頃になってくると、ある問題が出てくる。

 

睡魔だ。

 

アルバイト終わりということもあり、猛烈な眠気に襲われ始めた。

しかし、一緒にいるのは先輩。さすがに先輩を前に、眠りこけるわけにはいかない。

 

そうは思っても、眠気はあらがえないもの。

 

視界は、ふわふわとし、遂に閉ざされてしまった。

 

ところが、ここで大剣を装備していることが活きた。



モンハンには様々な武器があるが、大剣を装備しているときにLボタンを押すと、ガードをするのだ。

 

ガードをしている状態で攻撃を受けても、ダメージは最小限に抑えられる。

 

これなら、寝てしまっても、攻撃を受けてしまうことはない。



大型のモンスターが暴れ狂う地のど真ん中で、ガードの構えで立ち尽くす私。



そんな私を現実に引き戻す一言が放たれた。

 

「ちょっ、寝てる寝てる!」

 

ハッと目を開くと、私の方に突進してくるモンスターの姿があった。

 

もう回避することはできない。

 

私は覚悟を決めた。



しかし、そんな現実の私とは裏腹に、画面の中の私のキャラクターは、見事にモンスターの突進を防いだ。



『寝ガード』ここに爆誕である。



さすがに、ぶっ続けだと限界があるため、少し休憩を挟みつつ、それでも何度も何度もクエストに潜り続けた。




失礼ですが、言わせてください

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高校生のころ、何度か友人とモンハンをしたことはあるが、休日に集まって少しだけ遊ぶ程度だった。

 

時間を忘れて、これほどまでに楽しんだのは初めてだった。




いや、嘘だ。

時間を忘れていたのは先輩二人だけである。



先にも書いたが、この部屋には窓が一つある。逆に言えば一つだけしかない。

 

先輩二人は、そのたった一つしかない窓に背を向けて座っていた。

その先輩たちと向かい合うように座った私。

 

私には見えていた。

 

だんだんと窓の外が明るくなっていくのを。



満足いくまで楽しんだところで、この日はお開きとなった。

 

朝8時のことである。



私と2歳上の先輩は、帰宅することになり、3歳上の先輩は見送りに出てくれた。

 

顔を出したばかりの日差しが、冷たい空気に少しの暖かさを与える朝。

眩しそうな顔の先輩が「いやー、眠い」と呟いた。



私は言った。

 

「先輩に対して失礼なのはわかっていますが、言わせてください。」



「馬鹿じゃないんですか。」




この日から、私は先輩たちとさらに仲良くなった。

 

 

 

 

思い徒然なるままに

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私はエッセイが好きだ。

 

エッセイストと呼ばれる人たちが書いた、しっかりとしたエッセイはもちろん、どこの誰が書いたものかもわからないエッセイも好きで、よく読んでいる。

 

多分、人の生き方だったり、考えていることだったり、そんなことを覗き見ることが好きなのだ。



いろいろな人が書いたエッセイを読んでいて、思ったことがある。

自分でも書いてみたい。



思いたったら、即行動だ。

 

私はエッセイを書いてみることにした。



とはいっても、エッセイの書き方を誰かから学んだわけではないし、エッセイの定義すらも曖昧だ。

 

私の中にある、エッセイらしい文章で、自分の過去や今、そのとき起きたことや感じたことを綴っていこうと思う。



本物のエッセイを知っている人からは怒られるかもしれない。

 

怒られるかもしれないけれど、私の思い徒然なるままに。