No Sense Life ~センスゼロ社会人が豊かで少しおしゃれな生活を目指すライフログ~

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文章のすごさを味わいたいときに読みたい3冊の小説

文章のすごさを味わう読書体験

 

初めて小説を読んだのは、小学生の頃。

夏休みの読書感想文を書くために『ウォーターボーイズ』を読んだのが、私の小説との出会いだった。

 

それから読書、特に小説を読むことが好きになった。

 

時は過ぎて大人になった今、文章を書く仕事に就いてからは、以前にも増して小説をよく読むようになった。



数多くの小説を読み、面白い作品と出会うことができた。

 

ただ、単に面白いと感じる作品ばかりでなく、文章を書くことを仕事にしている今だからこそ見つけた、文章のすごさを感じられる小説もある。

 

 

ピアノの音色が聴こえてきそうな綺麗な文章を堪能できる『さよならドビュッシー

 

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ピアニストを目指す少女の周囲で、様々な事件が起きるミステリー小説『さよならドビュッシー』。

 

火災により、手がうまく動かせなくなっても、ピアニストを目指して練習に励む少女。その少女のピアノ講師を務める青年。この青年が作品の主人公である。

 

さらにこの青年は、少女の周囲で発生する不審な事件を解決に導く探偵的な役割も担うという、少し変わった設定も特徴的だ。



ミステリーである以前にピアニストの話なので、作中にはピアノを演奏する場面が多々ある。そのピアノ演奏の場面がうまく文章で表現されている。

 

ピアノの綺麗な音色が想像できるような、綺麗な文章で表現されているのは見事の一言。

 

それでいて、作者の中山七里さん自身は、楽器を全く演奏できないというから驚くばかりである。



もちろんミステリー小説としても、素晴らしい作品だと思っている。

 

中山七里さんは、『どんでん返しの帝王』と呼ばれるほどの小説家で、この『さよならドビュッシー』もでも、どんでん返しを堪能できる。

 

伏線回収も素晴らしく、とても好きな作品である。

 

 

背筋が寒くなるほどの表現を体験できる『ストロベリーナイト

 

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誉田哲也さんの作品の中でも人気の高い、姫川シリーズの1作目『ストロベリーナイト』。



ドラマ化、映画化されたことで、小説を読まない人にも人気のある作品なのではないだろうか。



ただ個人的にこの『ストロベリーナイト』は、決して万人に勧められる作品ではないと思っている。というのも、作中にグロテスクな表現が含まれているのだ。



グロテスクな表現がある映画やゲームなどは、問題なく見ることができる私。

ところが『ストロベリーナイト』を初めて読んだとき、読んでいて背筋が寒くなる感覚を味わった。

 

明確に視認できる映像ですら、問題なく見られるにもかかわらず、文章でここまでの気持ちになるとは思ってもいなかった。



状況が簡単に想像できてしまうほど、文章でしっかりと表現されている。ここに文章のすごさを感じたのだった。



グロテスクな表現に抵抗がない人には、ぜひ読んでもらいたい作品である。

 

 



文章でしか実現できない叙述トリックに騙される『Another』

 

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叙述トリックを得意とする、綾辻行人さんの作品『Another』。



叙述トリックは、読者に時系列や人物を勘違いさせるという手法。

 

たとえば、「田中」という人物と、「太郎」という人物がいるとする。

読者は当然、2人の人物だと思い込む。

 

しかし、実際は「田中太郎」という1人の人物を指していた、というような書き方。

 

この読者の勘違いを利用したのが、叙述トリックである。



文章だけでは、読者に想像させることはできても、明確な映像を伝えることはできない。

だからこそ、読者に正確に伝えるために、イラストや写真も併用することが必要となる。

 

この文章の欠点を逆手にとったのが叙述トリックであり、文章でなければ実現できない手法といえるのではないだろうか。



この『Another』は、実写映画化とアニメ化もされている。

しかし、実写映画では、原作の叙述トリックの部分を削除し、アニメでは、叙述トリックを無理矢理アニメで表現したそうだ。

 

最近は小説が実写映画化やアニメ化されることも多く、原作を好む人からの批判の対象となっているのをよく目にする。

 

私は実写映画化を否定するつもりはないが、この『Another』だけは、作品の魅力を完璧に味わうために、小説で読むことをおすすめしたい。

 

 

 
 
 

 

これら3冊の小説。

文章のすごさ、文章の面白さを感じたいときに、読んでみてはいかがだろう。