ゲームにまみれて、本にまみれて。

ゲームと本にまみれた、日常の話。

『コーヒーが冷めないうちに』を読んだら、過去を思い出して少し悲しくなった。

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もしも過去に戻れるのなら

もし過去に戻れたら、いつに戻るだろう。そして、そこでなにをするだろう。そんなことを考えさせられる『コーヒーが冷めないうちに』。

 

過去に戻ることができると噂の喫茶店「フニクリフニクラ」を舞台にした心温まる物語である。ただし過去に戻っても未来は変えることはできないというルールがある。

 

過去に戻るというような作品はたくさんあるけど、どれも未来を変えるために過去に戻るというストーリーが多い。過去に戻りたいと考えるとき、そのほとんどは未来である今を変えたいと思っているから、わたしもそんなふうに考えていました。

 

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でも『コーヒーが冷めないうちに』では、未来を変えられないとわかっていても過去に戻ることを選択した人たちのストーリーが描かれていきます。

 

人との別れは突然訪れるもの。あのとき伝えておきたかったこと、その言葉を伝えるために、人は過去に戻る。

 

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この作品を読み終わって、わたし自身のことを考えていました。

 

過去を振り返ると一人の男の子の姿が浮かんでくる。小学校は違うけれど、仲良くなった男の子。小学校が違うから別れ際が思い出せないほどに、いつのまにやら離れ離れになっていました。

会うたびに、わたしの知らないことを教えてくれ、わたしも彼に教えて。クラスメイトだけではないつながりがとても楽しかった。だからせめてお礼だけでも言いたかった。

 

いまどこでなにをしているんだろう、わたしのことは覚えているだろうか。そんな少し物悲しい気持ちをおぼえる作品でした。

 

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