条例でゲームを制限することの是非
香川県で「ネット・ゲーム依存症対策条例」なるものが施行された。
18歳未満の子どものネットやゲームの利用時間を、平日は60分、休日は90分を目安に制限する条例だ。
とはいっても、違反すれば罰則があるようなものではなく、各家庭での判断に任せるものであり、存在する意義があるのかどうかわからない条例である。
しかし、施行された以上は、厳しき制限する家庭も出てくるだろうし、香川県外でも取り入れる家庭は出てくるかもしれない。
ただ、私はむやみにゲームを制限することには反対だ。
無理に制限をしてしまうと、たがが外れた時に、えらいことになりかねないから。
二度の我慢をすることになった『428~封鎖された渋谷で~』
私の好きなゲームに『428~封鎖された渋谷で~』というものがある。
一番好きなゲームと言っても過言ではないかもしれない。
『428~封鎖された渋谷で~』との出会いは、ほんの偶然だった。
店に並んでいるのを見て、パッケージに惹かれ、パッケージ裏のゲーム内容を見てさらに惹かれた。
しかし、すぐに買うことはなかった。
というよりも、買えなかった。
『428~封鎖された渋谷で~』はWii用のソフトとして発売されていたのだが、その当時Wiiを持っていなかったのだ。
惹かれる気持ちを抑えて、その場は諦めることにした。
それから少しして、二度目の出会いを果たす。
書店でゲーム雑誌を立ち読みしていると、『428~封鎖された渋谷で~』の広告が目に入ったのだ。
その内容は、私にとって朗報だった。
PSPを持っていた私は、今度こそ『428~封鎖された渋谷で~』の購入を決めた。
しかし、またしてもすぐに買うことはしなかった。
移植版が発売される年、私は高校3年生だった。
さすがに大学受験を控えたタイミングで、新たなゲームを購入する勇気はなかった。
驚愕したプレイ時間
大学受験を終え、受験勉強から解放された私は、すぐにゲームショップへ向かった。
割と人気が高い作品で、最初の何店舗かは在庫切れ。
個人経営の小さなゲームショップで、なんとか購入することができた。
足早に帰宅した私は、すぐにゲームを起動した。
楽しみにしていたからか、二度の我慢を強いられていたからか、ゲームそのものの出来がよかったからか。
夢中になってストーリーを進めた。
あるタイミングでセーブをしようとしたとき、プレイ時間を見て驚いた。
70時間となっていたのだ。
プレイ時間が70時間であること自体は、それほど驚くことではない。
クリアまでのプレイ時間が100時間近くになるゲームも珍しくはないからだ。
では、なにに驚いたのか。
帰宅してゲームを開始してから、そのタイミングまでで、およそ80時間しか経っていたかったのだ。
つまり、PSPの電源を切ったり、スリープ状態にしたりしていたのは、10時間ほどしかないということになる。
たしかに、寝る間も惜しんでストーリーを進めていたのだから、当然と言えば当然だ。
もともと小説を読んでいるときも、続きが気になると夜明けまで読んでしまう性格だが、ゲームにこれほど熱中したのは初めてだった。
おそらく、二度に渡る我慢を強いられた結果がこれなのだろう。
私がこのような状態になったのは、『428~封鎖された渋谷で~』以降ないのだが、無理にゲームを制限することで、制限が解かれたときに、余計にゲームに没頭してしまう人も出てくるのではないだろうか。
そんなふうに、私は思っている。