No Sense Life ~センスゼロ社会人が豊かで少しおしゃれな生活を目指すライフログ~

No Sense Life

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AとB、どちらがいい?

「AとB、どちらがいい?」

 

こう聞かれたら、あなたはなんと答えるだろう。

 

だいたいの人は「A」もしくは「B」と答えるはずだ。

 

ただ、私のような天邪鬼な人間は「C」とか「D」とか、与えられてもいない選択肢を持ち出すことがある。



「今日の夕食は、和食と洋食のどっちがいい?」くらいの、人生になんの影響も与えないような質問であれば、「中華」とか、与えられていない選択肢を選んでも良い。

 

しかし、真剣な場面での質問は、与えられた選択肢から答えを選ぶべきだ。

 

私は、与えられていない3つ目の選択をして、酷い目にあったことがある。



公園で起きた事件

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時は遡り、小学生時代。

 

小学校低学年だろうか、はっきりとは覚えていないが、とにかくまだ世の中のこともよくわかっていない年頃だった。

 

私は近所の公園で、幼稚園からの友達と二人で遊んでいた。

 

今でこそ遊具は撤去され、がらんとした公園になっているが、その当時はブランコや滑り台、シーソーなど、小さいながら充実した公園だった。



私は滑り台の近くで楽しく遊んでいた。

が、そんな楽しい時間も、すぐに終わりを迎えた。

 

視界の端に、黒い大きな影を見た私は、そちらに目をやった。

 

黒い大きな犬が、公園に駆け込んでくるところだった。

 

一瞬で「やばい」と悟った私は、一目散に駆け出した。ただ、犬を相手に直線で走っても勝ち目はないだろうという、冷静だかなんだかわからない思考から、私は滑り台の周りをぐるぐると周ることにした。



途中、滑り台の上から友達の声を聞いた。

最初から滑り台の上にいたのか、隙を見て上ったのかはわからないが、彼は滑り台の上にいて、私にも滑り台に上るように促した。

 

そんな余裕はない。

 

私は勝ち目のない勝負に挑み続けていた。



しかし小学校低学年の体力なんて高が知れているもので、数分ともたずに疲れ切った私は、最終的に足をとられて勢いよく転んだ。

 

ふと顔をあげると、飼い主らしき女性が犬のリードを握って心配そうにこちらを見ている。

そして友達も、私の顔を覗き込む。

 

勢いよく転んだものだから、手や足などいたるところを怪我した。

 

一番ひどかったのは、左ひざである。

思い切り擦りむき、かなり出血していた。

 

私は友達に連れ帰られ、母への説明まで友達がしてくれた。

そして事情を知った母に、近所の病院へ連れていかれることとなった。



存在しなかった3つ目の選択

 

病院で傷の状態を確認した医師は、これから行う処置を私に説明した。

 

場所が公園だったため、傷口にはたくさんの砂粒が入り込んでいた。

そのまま傷がふさがると、皮膚の中に砂が残ってしまい、見た目にも悪くなるため、砂粒を除去する必要があるというのだ。

 

そして、ここで2つの選択肢が与えられた。

 

1.麻酔をしたうえで、ブラシを使って砂粒を取り除く。

2.液体窒素を使用したうえで、ブラシを使って砂粒を取り除く。

 

液体窒素の使い方はいまいちわからないが、おそらく冷却して麻痺させるとかなのだろう。

 

私は「なにも使わずに、ブラシを使って砂粒を取り除く」という選択をした。



今考えると馬鹿でしかないが、当時は極度のびびりだった。

そんな私の前に、麻酔だの液体窒素だのと、わけのわからないものを並べられたところで、「はいそうですか」と了承するわけがなかった。

 

医師も、周りにいた看護師さんも、母も、全員が私を説得したが、断固として拒否しつづけた。

 

結果、「なにも使わずに、ブラシを使って砂粒を取り除く」という私の案が可決された。



処置中は痛かったのか、全く覚えていない。

おそらく痛かったのだろう、ずっと泣き続けていた記憶だけがある。

 

おそらくというか、痛くないわけがない。

できたばかりのそこそこ大きな傷を、直接ブラシでこすっているのだから。



長かったのか短かったのかもわからない時間を過ごし、傷の処置は無事に終わった。

 

泣きすぎて高熱を出した私は、母に連れ帰られた。

 

高熱が出て病院に行くならまだしも、病院に行って高熱を出すことになるとは思いもしなかった。



与えられた選択肢には背かない

 

この無駄な頑張りの甲斐もあり、砂粒一つ残らずに傷は完治した。

ただ傷の大きさのせいもあって、20年以上経った今でも、皮膚が少し盛り上がっている。



犬の飼い主の女性は、後日菓子折りを持って謝罪に来たようだった。

 

母は、それだけで済まされたことに怒っていたが、私はこれでよかったと思っている。

 

私が負った怪我は、転んだときのものだけ。

転んだ後に、犬が噛みついてくるようなことはなかったのだ。

 

飼い主から自由になった犬が公園に入ったところ、子どもが走り出したものだから、遊んでもらえると思って追いかけた、とかそんなところだと思う。

 

それなのに保健所送りなどにされたら、それはそれでかわいそうだ。



ただ一つ言えることは、病院などの真剣なシチュエーションで与えられた選択肢には、絶対に背かない方が良いということである。