ゲームにまみれて、本にまみれて。

ゲームと本にまみれた、日常の話。

悪が正義のダークヒーロー作品『歌舞伎町セブン』

広告

『ジウ』から続くダークヒーロー作品

 

誉田哲也さんが描く『ジウ』三部作。

ジウという謎に包まれた人物を、二人の女性刑事が追う物語だ。

 

そんな『ジウ』三部作から続く作品『歌舞伎町セブン』。

 

f:id:if_broken:20210122165202j:plain

 

警察小説である『ジウ』から続いているとはいえ、今作は警察小説ではなく、悪が活躍するダークヒーロー作品となっている。



悪がメイン、悪が正義

 

舞台となるのは、『ジウ』から6年が経った歌舞伎町。

町会長の死を皮切りに、相次いで失踪者が出てしまう。

 

そんな中、歌舞伎町ではひそかに「歌舞伎町セブン」の噂が広まり始める。

 

「歌舞伎町セブン」とは一体なんなのか。

相次ぐ失踪者と「歌舞伎町セブン」の関係はなんなのか。



『ジウ』をはじめとした誉田哲也さんの作品にある、はらはらとする表現は、しっかりと感じられる。

 

しかし『歌舞伎町セブン』には、また違った魅力も持っている。



警察小説の場合、警察目線で物語が進んでいくものが多い。

警察官である主人公が正義であり、悪を追い詰めていく。

 

ところが今作はダークヒーロー作品。

悪がメインであり、悪が正義なのである。

 

矛盾甚だしい表現だが、こう書きたくなる理由は、読んでもらえればわかるはずだ。



少年漫画的な展開も見どころ

 

そして、今まで敵対していた者同士が、同じ目的のために手を組むという少年漫画的な胸を熱くするストーリー展開も、単純に読んでいて楽しい。

 

ただストーリー展開は少年漫画的でも、誉田哲也さんの作品特有のグロテスクな表現は変わらずに持ち合わせているから、読む際には注意が必要だ。



以後、歌舞伎町を舞台にした続編が出版されているが、今後のストーリーが非常に気になる内容となっている。



これもまた、好きなシリーズの一つになりそうだ。