前作よりも熱い展開を
前作『歌舞伎町セブン』で描かれた事件の後、歌舞伎町にはさらなる危険因子が生まれていた。
『ジウ』三部作で数々の事件を起こしてきた謎の人物「ジウ」。その「ジウ」の後継者であると信じ、ひそかに活動し始める人物「ダムド」。
『ジウⅢ 新世界秩序』で起きた歌舞伎町封鎖事件。「ダムド」もまた、同様の事件を起こし、歌舞伎町を混乱に陥れてしまうのだろうか。
前作より、さらに熱い展開が楽しめる『歌舞伎町ダムド』。
過去作を読んでから、今作を読んでほしい
この作品を読む際、2つのことに注意してもらいたい。
1つ目は、『ジウ』三部作とそれに続く『ハング』『歌舞伎町セブン』を読んでから、今作『歌舞伎町ダムド』を読んでもらいたいということだ。
「ダムド」が「ジウ」の意思を継いでいることからも、『ジウ』三部作を読んでおいた方が楽しめるのは間違いない。
さらに、他の登場人物の過去が描かれる場面があるのだが、これも今までの作品を読んでおいた方が楽しめるはずだ。
また、物語の最後で、登場人物の一人「ミサキ」がこんなことをいう。
”あたしたちはね……プロなんだよ”
ここで多くは書けないが、この「あたし”たち”」という表現が、シリーズを通して読んでいると、なんだか嬉しくなってしまうのだ。
鳥肌が立つほどの強烈な表現を覚悟して
そして、もう1つの注意点は、グロテスクな表現を覚悟しておかなくてはならないことだ。
今作は序章、一章から五章、終章と七章で構成されているのだが、序章からグロテスクさが吹っ切れている。
読み始めてすぐに、鳥肌を立たせることになるとは思いもしなかった。
今まで誉田哲也さんの作品は、数々読んできたが、1,2を争うほどの強烈な表現だと思っている。
この2つの準備が整ったら、ぜひ読んでもらいたいと思う。