コーヒー豆の焙煎をテーマにした一人用ボードゲーム
コーヒーは、コーヒーの生豆を焙煎することで生まれる。
焙煎の度合いによって、コーヒーの味わいは変わるから、焙煎する人の腕がものを言う。
『コーヒーロースター』は、そんなコーヒー豆の焙煎をテーマにした一人用ボードゲームだ。
ボードゲームやアナログゲームには、一風変わったものもあるが、コーヒーの焙煎をテーマにしたものは、唯一無二といってもいいかもしれない。
作者も、この先10年は、誰も似たものを作らないようなソロゲームを作りたいとの考えから、この『コーヒーロースター』を生みだしたそうだ。
///Saashi & Saashi note リンク
しかし、いざ実際に遊んでみると、一風変わっているだけではないことがわかる。しっかりと考え込まれており、ゲームとして楽しめるのだ。
焙煎をうまく表現したゲーム性
ゲームの目的は、コーヒー豆チップに書かれた焙煎度を上げていき、焙煎度の合計を設定された理想値に近づけることである。
設定された理想値に近ければ高得点が得られるし、遠ければ得点は得られない。
1ターンごとに決められた枚数のチップを、中を見ずに袋から取り出す。
取り出した豆のチップは、1つ上の焙煎度のチップに取り換えて、また袋に戻す。
こうしてターンを進めていく。
この、袋からチップを取り出して焙煎度を上げ、袋に戻すという一連の動きで、コーヒー豆の焙煎を再現しているのだ。
袋の中の豆チップの焙煎度が丁度良いと判断するか、ターン終了時に移動させるシート状のメーターチップが一番右まで行ったら、カップテストに移る。
ゆっくりとコーヒーを飲みながら
カップテストでは、袋からランダムに10枚のチップを取り出し、カップシートに並べる。
このカップシートに並べた豆チップの焙煎度の合計が、理想値に近ければ高得点となるわけだ。
つまり、焙煎が足りなければ合計の数値も足りなくなるし、焙煎し過ぎると、高い数値の豆チップしか引けず、これもまた理想値から離れていくことになる。
また豆チップの焙煎度は4までで、それ以上焙煎を進めてしまうと、焦げ豆となり、マイナス点となってしまう。
この焙煎度合の調整は、単純でありながら非常に難しい。
さらに、ターン中は豆の焙煎だけでなく、様々な操作もできる。
たとえば、フレーバーチップを使って、不要なチップを排除したり、2枚の豆チップの焙煎度を合わせて1枚の豆チップにしたり、その反対に1枚の豆チップを1枚の豆チップに分けたり。
フレーバーチップをうまく使えば、ゲームを有利に進めることができる。
その反面、カップテストのときに、指定されたフレーバーチップをカップシートに置くことができれば、追加で得点が入るので、フレーバーチップの使いすぎにも注意しなければならない。
実際のコーヒー豆の焙煎は大変な作業だろうが、その大変さの一片を垣間見れるようなゲームである。
それでいて、コーヒーをテーマにしていることもあり、切羽詰まった大変さはなく、のんびりと楽しめる。
週末の夜、ゆっくりとコーヒーを飲みながら、時間をかけて遊んでみてほしい。