ある日、突然の不正アクセス
毎朝、起きるとすぐにパソコンのメールを確認するようにしている。
仕事に関するメールを、見落とさないようにするためだ。
その日も、いつものようにメールを確認していた。
受信ボックスに溜まった未読メールの数々。
その中の一通、不穏な雰囲気を漂わせたメールがあるのに気づいた。
そのメールは、Yahoo! JAPAN IDが不正にログインされたことを知らせるものだった。
思い返せば前日、Yahoo!メールにログインできなくなってしまったのだが、まさか不正アクセスされているとは思いもしなかった。
『かんたん決済』で勝手に支払いされていた
不正ログインされただけであれば、まだよかった。
不正ログインされた挙句、ヤフオクでぬいぐるみを落札され、『かんたん決済』で支払いまでされていたのだ。
『かんたん決済』は、クレジットカードやインターネットバンキング、Tポイントなど、Yahoo! JAPAN IDと紐づけした支払い方法を使って代金を支払うシステムである。
私は、Yahoo! JAPAN IDにTカードを紐づけしていたため、貯まっていた1000ポイントほどのTポイントを使って支払いされたのだった。
銀行口座やクレジットカードの情報は登録していなかったので、不幸中の幸いと言えるだろうが、ポイントといえど被害に遭っていることに変わりはない。
このことに気づき、すぐにYahoo! JAPANのヘルプセンターに連絡をした。
物事に潜むリスクを把握する大切さ
Yahoo! JAPANとしては、二段階認証などのセキュリティ対策の手段を用意しているため、不正アクセスに関しては本人の責任という見解だった。
ただ、同時期に同様の被害に遭っている人が多数いたようで、ポイントを補填してもらえることとなった。
これで、一件落着となったのだが、同時に便利さが危険につながることを実感した。
Yahoo! JAPAN IDを持っていれば、Yahoo!メールやヤフオクなど様々なサービスを利用できるようになる。この件の原因の一端となった『かんたん決済』もまた、その一つだ。
一つの入口から、複数のサービスに簡単につながる。これは非常に便利である反面、その一つの入口が突破されてしまえば、その他のサービスにまで入り込まれてしまう。
最近では、Yahoo! JAPAN IDに限らず、アカウントの連携によって、一つのアカウントで様々なサービスにログインできるようになってきている。
こういった機能は、個々でアカウントを取得する必要がなく、効率的になる。
ただ、物事が便利になることは、多くのリスクを孕むことでもある。
そのリスクをしっかりと把握したうえで、サービスを利用しなければならないと感じた。