子ども向けは思い違い
夏休み、自由研究のために、山へ虫取りに行った。
ところが、そこで出会ったのは虫ではなく、妖怪だった。
普通の小学生である主人公が、妖怪執事と名乗る『ウィスパー』と出会い、妖怪ウォッチを渡されたことがきっかけで、街中に潜む妖怪たちも見えるようになってしまうところから、ストーリーが展開していく。
『妖怪ウォッチ』は、2014年頃に子どもたちの間でブームになった作品だ。
当時の私は、あくまでも子どもの間でのブームであって、ゲームそのものも子ども向けに作られているものだと思っていた。
それは完全な思い違いであることに、気づかされることになった。
手軽に育成ゲームのワクワクを感じられる
一番魅力を感じたのは、手軽に育成ゲームを楽しめるという点だ。
戦闘は妖怪たちが自動で戦ってくれる。
プレイヤーがすることといえば、回復のためにアイテムを与えたり、妖怪を入れ替えたり、必殺技を使ったり。
それがゲームとしてつまらないかというとそんなことはなく、手軽ゆえに誰でも楽しめるのではないかと思う。
妖怪の強化も、敵の妖怪を倒して経験値を得てレベルアップさせていくのだが、経験値玉というアイテムを使うことでもレベルアップができる。
妖怪の中には、一定のレベルに達することで進化するものもいる。
手軽ながらも、育成ゲームならではのワクワクを、しっかりと感じることができるのだ。
日常に追われる大人にプレイしてもらいたい
本作では、主人公の自宅がある『さくらニュータウン』をはじめ、様々な町を歩き回ることになる。
多くの人が行き交う都会。
川のせせらぎが聞こえる山の中。
自然が溢れる田舎町。
歩き回っていて感じたのは、子どものころの夏休みだった。
まるで子どもの頃に戻ったような、そんな懐かしさに浸りながら、ストーリーを進めている私がいた。
これもまた、大人でも楽しめる魅力なのではないだろうか。
日常に追われている大人に、ぜひあの頃の思い出を胸に、プレイしてもらいたい作品だ。