北九州のイメージは悪い
私は北九州市の出身だ。
北九州市と聞くと、あまり良いイメージを持たない人は多いかもしれない。
だいたいの人の頭に浮かぶのは、派手な成人式だろう。
それから、あまり治安が良くないというイメージも持たれるだろうか。
福山雅治さんも北九州について「長崎生まれの僕にとってのイメージは不良として別格な土地なんです。」と、インタビューで語っていた。
私が言うのもなんだけど、全てにおいて否定はしない。
特に成人式の派手さは身をもって体感している。ドナルドマクドナルドのコスプレをした集団が、ケンタッキーの前にたむろしていたのを見かけたことは、成人式の思い出の一つにすらなっている。
製鉄所にあやかったネジチョコ
ただ悪いイメージばかり持たれるのは不本意だ。
北九州にはいろいろと推しているものがある。
映画の街として、頻繁に映画撮影が行われていたり、マンガの街として、マンガがメインの施設があったりする。
そして製鉄所もある。
あまり目立ってはいないが、いちおう世界遺産にも登録されている。
施設そのものは立ち入りができないため、世界遺産としての存在感を活かしきれていないのだが、その代わりと言わんばかりに、鉄をモチーフとしたネジチョコというお菓子がお土産物として売られている。
ボルトとナットをかたどったチョコ。
ココアパウダーが振りかけられており、チョコレートの色とあいまって、錆びた鉄の質感を再現している。
精巧さが光る
と、ここまでは単に、世界遺産となった製鉄所にのっかっただけの土産物程度に思われるかもしれない。
しかしそれだけではない。
ネジチョコはネジをかたどっているだけでなく、精巧に作られており、実際にボルトとナットを締めることができる。
狂いがあっては締めることができないものを、チョコレートで再現しているのだ。
素人目に見ても、それはすごいことなのではないかと思う。
食べてみるとチョコレートとしても美味しい。
私自身、チョコレートは大好きなのだけど、ものによっては独特な味がすることがあり、そういうのはあまり好きではない。
ネジチョコはシンプルなチョコレートで、甘すぎず、美味しいチョコレートだった。少なくとも私の好みには合っていた。
難点があるとすれば、精巧に作られているゆえに、食べるのがもったいないと思ってしまうことくらいだろうか。
北九州には誇るものがたくさんある。
そういう地に生まれ育ったことは、私の人生のちょっとした自慢だったりする。