幼馴染の二人が各地を巡る物語
ラグピック村に住む、ジュリオとクリス。二人が住む村では、14歳になると各地のシャリネと呼ばれる祠を巡る慣習がある。
14歳を迎えた二人もまた、シャリネを目指して旅に出ることになる。
その旅の途中で、多くの人と出会い、いつしか世界の存続を揺るがす陰謀に巻き込まれていってしまう。
ジュリオとクリスは、各地を巡りながら、世界を救う手だてを探していくことになる。
こんなふうに『英雄伝説 ガガーブトリロジー 白き魔女』のストーリーは展開していく。
優しい気持ちになれるRPG
この作品をクリアして抱いた印象は、とにかく優しいということだ。
世界の存続を揺るがす陰謀に巻き込まれていく。
こういったストーリー展開をするRPGはよくあるが、総じて多少は苛立ちを覚えるものである。
行く先々で主人公の邪魔をしてくるキャラクターが出てきたり、胸がもやっとするストーリー展開をしたり。
ところが、この作品はエンディングを迎えるまで、一度もこういった苛立ちを感じることがなかった。
出会う人は仲間であろうと敵であろうと、どこか優しさのあるキャラクターだったし、タイトルにもなっている「白き魔女」もまた、優しさに溢れる存在であった。
これほどまでに全編に渡って優しさを感じるRPGも、たまには良いものだと感じた。
セミオートバトルで進めやすい
『英雄伝説 ガガーブトリロジー 白き魔女』のバトルシステムは、セミオートバトルとなっている。
戦闘が開始されると、攻撃するか待機するか、各キャラクターの行動を選択する。あとはキャラクターが勝手に動き回り、敵を攻撃してくれる。戦闘中にプレイヤーがするべきことは、狙う敵を選択したり、技を使ったりするだけだ。
そうなるとゲーム性がないのかと思われるかもしれないが、どの敵を狙うか、どのタイミングで技を使うかの判断は重要な要素となっており、ゲーム性は損なわれていない。
むしろ多くの操作を要しないため、バトルが手軽であり、レベル上げも苦ではなくなっている。
私は調子にのってバトルを重ねた末、レベルが上がり過ぎてしまい、ラストバトルも余裕で突破してしまったほどだった。
シリーズ一作目だが、この作品だけでもプレイしてほしい
手軽なバトルで簡単に進めながら、優しい気持ちになれるストーリーを楽しめる作品だった。
『英雄伝説 ガガーブトリロジー 白き魔女』は、ガガーブトリロジーシリーズの1作目で、後に『朱紅い雫』『海の檻歌』と続いていく。
ストーリーも繋がりがあるが、『白き魔女』だけをプレイしても充分に楽しめると思うので、機会があればぜひプレイしてもらいたい。