初ゲーム化作品『コロッケ!夢のバンカーサバイバル』
小学生のころ、クラスではいろいろな派閥があったように思う。
コロコロ派かボンボン派か、とか。
私は圧倒的にポケモン派で、コロコロ派だった。
さてそんなコロコロコミックに『学級王ヤマザキ』というマンガが連載されていた。
アンパンマンすら問題にされる今の時代だったら、各方面からあらゆる苦情が飛んできそうな代物だった。
その『学級王ヤマザキ』の連載が終了した後、同じ作者が新たなマンガの連載を始める。タイトルは『コロッケ!』。
当時の人気漫画であった『コロッケ!』は、当然のようにゲーム化された。そんなゲーム化一作目が『コロッケ!夢のバンカーサバイバル』である。
原作にはないifストーリーが楽しめる
この作品は、原作を追体験できる内容となっている。
しかしプレイするキャラクターは、5人から選べる。つまり、実際には原作で起きなかったifストーリーも楽しめるわけだ。
原作ファンにとっては、まさに「夢の」作品と言えるかもしれない。
また本作はシンボルエンカウントで戦闘に移行するRPG的なゲームであるが、その戦闘システムは格闘ゲームのようになっている。
様々なゲーム性を楽しめるのは、この作品のポイントとも言える。
ただただ敵を倒すだけになってしまう
ところがゲームとして見ると、少しばかり間延びした感じを抱いてしまった。
目的はタイトルにもなっている『バンカーサバイバル』という大会で優勝することだ。
大会の予選から決勝戦までを戦い抜くことになるのだが、基本的には同じことをすることになる。
予選は、制限時間内に敵を倒すと手に入る禁貨を500枚集めればクリア。
一回戦は、同様に禁貨を1500枚集めればクリア。
二回戦は、敵を倒して手に入るカレーの材料を集めればクリア。
決勝戦は、対戦相手を倒せばクリア。
各キャラクターで使ってくる技や特徴が違うし、二回戦こそ手に入る材料がランダムなので、多少の毛色の違いはある。しかし、要は目の前の敵をひたすら倒し続けるゲームとなっているのだ。
原作ありきの作品だからか、ゲーム中で詳しくストーリーが展開されるようなこともない。その点を考えるとRPG要素は少ないと言わざるを得ない。
シリーズの始まりを印象付ける一作
間延びした印象は受けるが、シリーズの始まりを印象付ける一作だとも思っている。
シンボルエンカウントで、戦闘そのものは格闘ゲームのような戦闘システムは、今後のシリーズにも引き継がれている基本的なシステムだ。
キャラクターにはボイスもなければ、ゲーム性も一辺倒さを感じてしまうけれど、シリーズの基礎を築き上げた記念すべき一作目としての、大きな存在に触れたような気はしている。