フェイクニュースが増えている今だからこそ読みたい『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』
SNSの普及によって広まるフェイクニュース
ネットを通して、誰もが世界に情報を発信できる時代。
フェイクニュースの増加が問題になっている。
災害などによる人々の不安な気持ちにつけこんで、嘘を信じ込ませる。
そして、その嘘の情報は人から人へ伝わり、世の中がパニックに陥ってしまう。
新型コロナウイルスによる肺炎が広まり始めたころも、世の中は嘘の情報に振り回されることとなった。
トイレットペーパーに使われる材料がマスクに割かれるため、トイレットペーパーが不足する、という嘘の情報。
その情報が出回ってすぐ、一瞬にして店舗からトイレットペーパーがなくなった。
開店前から店にできる行列。
トイレットペーパーを探して、何店舗も駆けずり回る人々。
流れてきた情報を鵜呑みにせず、冷静に情報の真偽を見極める力は大切だと改めて思わされたできごとだった。
目に入る情報は全体像ではない
数多くの情報から、真実の情報だけを選び取らなければならない今だからこそ『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』という本を読んでみることをおすすめしたい。
ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの教授であるノリーナ・ハーツさんの著書。
溢れる情報の中、どのようにして真実を見極めればよいのかが解説されている。
SNSから情報を得る人は増えている。フェイクニュースも元をたどればSNSから波及しているものも多い。
つまりSNSからの情報との向き合い方が重要になってくるわけである。
SNSからの情報との向き合い方について、著者はこのように書いている。
・スマホでフォローしているツイートから推測できる情報には慎重になろう。
それがトレンドトピックやホットトピックなら、あなたが読めるのは、そこに流れているツイートのごく一部。それが全体を代表しているとはいえないし、全体像を与えてくれるとも思えない。
(『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』 209ページより引用)
目に入った情報をすぐに鵜呑みするのではなく、深掘りして様々な情報を比較する。
そうすることで、嘘の情報に振り回されにくくなるというのだ。
情報の海をうまく渡るための一冊
もしTwitterで流れてきた嘘の情報を信じ込み、それをリツイートしてしまえば、さらに多くの人々がその情報に触れることになる。
そうして広まった情報が、新型コロナウイルス流行時のトイレットペーパーの品薄のように、大きな問題を生む原因ともなる。
たったワンタップで、情報を広めた関係者の一人になりかねないわけだ。
ネット上の情報だけに限らず、新聞やテレビからの情報を見極める術が解説された本書。
フェイクニュースに振り回された経験がある人も、そうでない人も、今の時代を生きる方々にぜひ読んでいただきたい一冊だ。